なぜ「AI社員を雇う会社」を作っているのか
人間を雇うのではなく、AIエージェントを雇う時代だと考えています。
私自身も、周りの経営者も、AIエージェントを中心とした小さな会社をデジタル上に作れる。そう考えて XIN SEKAI を作っています。
手が足りないのに、人を増やせない
少人数でやっていると、必ずこの状態になります。やるべきことは分かっているのに、手が足りない。
請求書の処理、資料作成、調査、SNSの運用、問い合わせ対応。どれも重要で、どれも自分がやると他が止まります。人を雇えば解決しますが、採用にも教育にも固定費にも時間がかかる。外注は都度の説明コストが積み上がる。
一方でAIツールは山ほど増えました。それなら解決したはずです。でも、していません。
AIツールが単発で終わる問題
いまのAIツールの多くは、1回のやり取りで完結します。
指示を出す。答えが返る。終わり。翌日また同じ前提から説明を始めます。「うちのサービスはこういうもので、こういうトーンで、こういう顧客に向けて」を毎回書き直すことになります。
これは「ツールを使っている」状態です。組織として仕事が回っている状態ではありません。
会社が回るというのは、担当者がいて、その人が文脈を持っていて、部門をまたいで話がつながることです。企画が決めたことを開発が受け取り、できたものをQAが見て、デザインが仕上げる。誰も毎回ゼロから説明されません。
AIでそれをやるには、単発の呼び出しではなく雇用の形にする必要がありました。
雇用の形にするとは
XIN SEKAI では、AIエージェントに次のものを持たせています。
- 所属部門(15部門)
- 役職(チームリーダー/シニア/ジュニア)
- 得意分野とレベル
- これまでの仕事の記憶
その結果、頼み方が変わります。「この形式で、この前提で、こう書いて」ではなく、「例のあれ、進めておいて」で通るようになります。人に頼むときと同じです。
現在265体が在籍しています。数が多いのは、細かく専門を分けたほうが人間の会社に近づくからです。何でもできる万能の1体より、得意が違う265体のほうが実務では使えます。
決まっていないものは、別の場所が必要だった
作っているうちに分かったことがあります。AIに渡せるのは「決まっている仕事」だけです。
「なんとなくこういうのが作りたい」という段階のものをオフィスに渡すと、指示が定まらないまま実行されて、望んだものと違うものが出てきます。悪いのはAIではなく、渡し方です。
そこで、決まっていない発想を形にする場を別に作りました。アトリエです。
釜に素材を入れて、いくつかの質問に答える。それだけでLPやロゴや提案書が出てきます。コーディングは要りません。質問に答える過程が、実は要件を固める過程になっています。先に決めさせるのではなく、答えているうちに決まる形にしました。
決まっているならオフィスで任せる。決まっていないならアトリエで形にする。この2つの入口があることが、いまのところ一番うまくいっています。
遊びと仕事を同じ骨格にした理由
もう1つ、最初から決めていたことがあります。実務の成果と進行を、同じ仕組みでつなぐことです。
仕事を進めると会社に設備が増える。設備が増えるとできることが広がる。この成長は、実務の側からも、別の経路からも到達できます。
理由は単純で、続かないものは意味がないからです。業務ツールは「必要だから使う」ものなので、必要が薄れた瞬間に使われなくなります。進行が積み上がる感覚があると、続きます。
ただし、順番を間違えないようにしています。楽しくするために業務を飾ったのではありません。進行の仕組みそのものを共通化した結果、両方が同じ骨格に乗りました。
いま作っているもの
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作っている過程も、うまくいかなかった部分も、これから書いていきます。実際に触ってみて、つまらなかった点を教えていただけるのが一番ありがたいです。